先生は、インプラント治療を提供したことはありますか?
もし、合計10本以上、提供したことがあるならば、今回お伝えするお話は無視できません。
なぜなら、ある日突然、先生が過去にインプラントを入れた患者さんから、どうしても治せない疾患について、相談を受ける可能性が大きいからです。
しかし、今回お伝えする治療法を正しく実施できるようになれば大丈夫。先生がこれからもインプラント治療を提供するならば、必ず知っておかなければならないことを今から公開いたします。
インプラントは、優れた治療法のひとつです。先生もご存じのように、インプラントのサバイバルレート(10年)は95%と言われており、その技術は、年々飛躍的な進歩を遂げています。
ひと昔前は、限られた歯科医院でしか提供できなかったインプラント治療ですが、現在は多くのクリニックで、当たり前のように提供される治療法になりました。
そして、この十数年で、多くの患者さんがインプラントを入れ、以前よりも快適な生活を送れるようになっていますが、先生はご存じでしょうか?
実は、この十数年でインプラントを入れた患者さんの多くが、ある重大な疾患を抱えていることが明らかになりはじめました。その疾患とは「インプラント周囲炎」です。
この数字を聞くと、先生も驚かれるかもしれません。しかし、この数字は、一般財団法人サンスター財団附属千里歯科診療所の所長を務める鈴木秀典先生が、海外と国内の最新エビデンスを分析した結果です。有力な文献を紐解くと、5人に1人、10本に1本がインプラント周囲炎という事実が明らになっているのです。
インプラント周囲疾患の有病率について発表が盛んになったのは2012年以降のため、このような事実は、まだ多くの歯科医師がご存じありません。また、インプラント周囲疾患について2016年11月8日のNHKニュースでも、下記の報道がなされています。
今後、このような報道が盛んになり、歯科医師だけではなく、一般人もインプラント周囲炎のリスクについて知る時代は、そう遠くない未来に思えますが…
先生も「インプラント周囲炎」については、これまでに勉強されたことがあるでしょう。インプラント周囲炎は、骨の破壊を伴う炎症です。不可逆的病態の歯周炎と対比されることも多いのですが、実際はインプラント周囲炎の方が、はるかに重大な疾患です。
なぜなら、インプラント周囲炎は、歯周炎に比べて進行が急性的で大きく拡がるから。実際、ある研究によると、インプラント周囲炎による浸潤性結合組織(ICT)の破壊程度は、歯周炎の5倍以上と報告されています。
インプラント周囲炎には他にも重大な問題が潜んでいますが、何よりも注意したいのは、インプラントが高額な自費診療ということでしょう。
そのため、インフォームドコンセントにおいて、インプラントのサバイバルレートだけではなく、約50%がインプラント周囲粘膜炎に罹患し、約20%がインプラント周囲炎に罹患するリスクを伝えなければ、将来的に患者さんから訴えられる可能性が高くなります。
問題はそれだけではありません…
近年、超音波やレーザーを用いた治療法など、インプラント周囲炎の治療法について複数の技術が紹介されていますが、鈴木先生によると、完璧な治療法は現段階で開発されていないとのこと。
高度な外科的治療を伴ったとしても100%の改善は見込めないのです。この点からみて、インプラント周囲炎は「治らない疾患」と呼んでも過言ではないでしょう。
この十数年で、多くの歯科医院がインプラントを取り扱いはじめ、多くの患者さんがインプラントを入れるようになりました。しかし、今、時限爆弾のように、過去にインプラントを入れた患者さんの5人に1人が、治らないインプラント周囲炎に悩みはじめ、その問題が明るみになってきたのです。
つまり、歯科医療による重大な疾患に悩む患者さんが増え続けているのですが、先生はこの問題をどのように考えますか?
ここまでの話を聞くと「インプラントは危険な治療」と思われたかもしれません。「インプラントは、なるべく避けた方が良い」と思われたかもしれませんが、ご安心ください。
インプラント周囲炎を100%確実に治療するのは難しいのですが、ある方法によって、インプラント周囲炎を未然に防ぐことができます。つまり、より安全にインプラント治療を提供できるようになるのです。
その方法とは、インプラント周囲炎の手前にある「インプラント周囲粘膜炎」を早期に発見し、適切に処置すること。
今回、この方法を教えてくれるのが、先ほど紹介いたしました「一般財団法人サンスター財団附属千里歯科診療所」所長の鈴木秀典先生です。
インプラント周囲炎の治療法は確立していません。しかし、その手前にある「インプラント周囲粘膜炎」は治せます。つまり、「インプラント周囲粘膜炎」を早期に発見し、適切に処置すれば、インプラント周囲炎は未然に防げるのです。
この予防法を実践するにはまず、インフォームドコンセントが重要です。インフォームドコンセントでは、インプラント周囲疾患の有病率について、しっかりとお伝えし、メインテナンスの重要性をしっかりと教育すること。
サバイバルレート95%のような、メリットだけをお伝えするのではありません。5人に1人、10本に1本がインプラント周囲炎を罹患している事実などを、患者さんへしっかりとお伝えするのです。
そして、そのリスクを回避するには、しっかりとメインテナンスを受け続け、インプラント周囲粘膜炎を早期発見し、適切に処置する必要性も伝えます。
ここまでの説明がしっかりとできれば、インプラント治療後にメインテナンスを受けない患者さんはいないでしょう。下手に売り込むのではなく、歯科医師として真実を正しく語るだけなので、正しい知識があれば先生もすぐに実践できます。
次に重要なのはメインテナンス。インプラント周囲粘膜炎を早期発見し、適切な処置ができるようDHへ専門的な知識と技術を教育する必要があります。特に、プラークコントロールの技術指導は重要です。
ここまでの話をまとめると、インプラント周囲炎を未然に防ぐには、先生ご自身の知識を深めるだけではなく、DHのスキルがとても重要になるわけですが…
今回お伝えした「インプラント周囲炎を未然に防ぐ方法」は、ドクターだけではなくDHの働きがとても重要になります。
インプラント周囲粘膜炎を早期発見する知識や、効果的なプラークコントロールの技術など、各処置について、DHへしっかりと教育する必要があります。
しかし、忙しくてDHをじっくりと研修する時間が作れない先生が多いのも事実。だからこそ、今回のDVDの後半では、DHが実技映像を視聴しながら具体的なメインテナンス技術を学べる内容にいたしました。
また、今回収録した技術はすべて、先生が普段から使用している器具器材で実践できます。ぜひ、より安全なインプラント治療のために、このDVDを有効活用してください。
収録内容の一部をご紹介すると…
5人に1人、10本に1本が罹患している「インプラント周囲炎」を未然に防ぐ方法
インプラント周囲炎についての議論は複雑かつ難解である。その確定的治療法を持たないがために、ときにはインプラント周囲炎の存在は『インプラント否定派』にとっての格好の的となり、「インプラントは危ない」という極端な結論に置き換わられることも間々ある。さらには、メーカーが恣意的にインプラント周囲炎を評価し、自社製品の優位性を示す事例もあり、インプラント周囲炎はもはや科学的根拠をそっちのけで、これらに関連する「政治」や「商売」の具にされる異常な事態を招いている。その最中で、我々は誰の言葉を信じ、どの情報を参考にしてインプラント周囲炎の臨床に望むべきなのか。その答えを導き出してくれるのがこの度のDVDである。しかも平易に、とてもフェアーに、歯科医師だけでなく歯科衛生士にも正しい指針を与えてくれる。私は出演者の鈴木秀典先生とは20年近く、共に歯科の研鑽をさせていただいているが、どのような話題に対してもこれほど理解が早く、そして的確にまとめられる臨床家は当代きってであると確信している。言い換えると、我々がたくさんの時間を費やさなければならない「宿題」に対して、鈴木先生は我々に代わって意図も簡単にうまく整理し、わかりやすく伝えてくれている。今回の「宿題」は難解極まりないインプラント周囲炎についてであるが、その病態、疫学、現時点での治療法、予防法等が本講によってたちまちにつまびらかにされるであろう。是非、貴院スタッフの方々とご覧いただきたい一巻である。
佐藤 琢也 先生
サトウ歯科デンタルインプラントセンター大阪 理事長
近年、インプラント周囲疾患の有病率が世界的に高いことが示されており、我々インプラントを使用する歯科医師にとって、インプラントを長期にわたり長く使っていただくためのメインテナンス方法を熟知しておく必要がある.鈴木先生はご自身の研究テーマの中で、インプラント周囲粘膜炎をどのようにコントロールすべきかをストイックに追求されており、臨床現場でもその知識と経験知を遺憾なく発揮されている。今回このような教育的なDVDは多くの歯科医師ならびに歯科衛生士の日々の臨床に役立つものであると確信しており、是非インプラントを導入されている医院の皆様で情報をシェアしていただければ幸いである。
大月 基弘 先生
DUO specialists dental clinic院長
ヨーロッパ歯周病学会認定歯周病/インプラント専門医/歯学博士
5人に1人、10本に1本がインプラント周囲炎という事実は、まだ多くの歯科医師がご存じありません。しかし、この十数年でインプラント周囲炎に悩むケースは着実に増えており、それを明るみにする発表も2012年以降増え続けています。この状況からみて、インプラント周囲疾患が、今後の歯科業界において無視できないテーマになることは言うまでもありません。
つまり、これまで流行していたような、上手なトークでインプラントを売り込む方法や、機能性や審美性が高いだけのインプラントを提供する時代は終わりです。今後は、インプラントのリスクを正しく語ったうえで、安全な未来を約束するクリニックが選ばれるでしょう。
もし、先生が今後もインプラントを提供するならば? まずは、インフォームドコンセントでインプラント周囲疾患のリスクを正しく伝えること。そして、そうならないためのメインテナンスがあることをお伝えし、メインテナンスを正しく実施することが重要になるのです。
ネット社会により、患者さんの知識は急速に高まりつつありますから、今後は、サバイバルレート95%や機能性、審美性などのメリットだけを伝える歯科医院は、逆に、多くの患者さんから信用を損なうかもしれません。
ぜひ、この機会に「インプラント周囲炎を未然に防ぐ方法」を学び、実践し、胸を張ってすばらしいインプラント治療を提供できるようになりましょう。
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インプラントをやればやるほど、避けてとおれないのがインプラント周囲炎。これまでに多くの先生がこのリスクを気にしていたものの、具体的な対応策が見つからず悩んできました。
実際、インプラント周囲炎の有病率や、それを未然に防ぐ対策については、エビデンスでさえまだ少ない状況のため、興味があっても学べない状況があるのです。
鈴木先生は、このような状況を変えるために、自らスタディグループを立ち上げ、臨床研究や模型実験を繰り返し、インプラント周囲炎を未然に防ぐ方法を模索してきました。
インプラント治療患者が増え続けているにもかかわらず、インプラント周囲疾患を防止する手立てが少なすぎる状況を打破するためです。
そうして開発してきたインプラント周囲炎を未然に防ぐ方法は、現在、多くの場で発表され、インプラントを続けるならば必ず知っておかねばならない技術として、多くの歯科医師から注目を集めています。
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