
From:内田
日付:2026年11月2日12:00
先生は日々、根管治療をおこなう中で「本当に、根管はこれで全部だろうか」と、不安を覚えたことはないでしょうか。
根管口を探す手を止め、デンタルをもう一度見直す。それでも確信が持てないまま、慎重に処置を続ける。
それなのに、同じ患者さんで痛みが取れないケースや、何度も再治療になる症例がある。
この繰り返しが、大きな負担になっている先生は少なくありません。
では、なぜ丁寧に処置しても、再治療になることがあるのでしょうか。
手技だけに注目していると見落としがちですが、その解決策は技術だけではありません。
むしろ、治療前の「診査・診断」をあらためて見直す必要があります。
なぜなら、治療に入る前の段階で、すでに成否の大半が決まっているケースも多いからです。
例えば、先生は「下顎前歯」にどのような印象をお持ちでしょうか。「単根・単根管で、治療がしやすい歯」というイメージをお持ちかもしれません。
しかし実際には、下顎中切歯で約22%、側切歯で約26%に2根管が存在します。
そして、正面からの正放線1枚だけでは、2本の根管が前後に重なってしまうことがあり、その場合は注意深く見ても1本の根管にしか見えません。これが「撮影しているのに見えていない」現象です。
正しく2根管を見抜くには、偏心投影法によるもう一枚(わずか1分)の撮影が必要です。
大学で習う知識は大切な基礎ですが、そのまま臨床のすべてに当てはまるわけではありません。
平均に収まらない形態バリエーションを体系的に学ぶ機会がなかったこと。
それこそが、未処置根管を見落とし、再治療を繰り返す原因になっているのです。
では、なぜ今あらためてX線読影を学ぶ必要があるのでしょうか。それは、読影力が「根管治療の前提条件」だからです。
根管治療では、拡大・形成・洗浄・充填の前に、「治療する歯の状態」を把握する必要があります。
「写っている影は何を意味するのか」
「写っていない部分に何が隠れているのか」。
この判断を誤れば、どれだけ丁寧に治療しても良好な予後は得にくくなります。
どこに注目し、何を疑うのか。歯種別の枠組みを頭に持っているか。そこに、成否を分ける最初の分岐点があります。
つまり読影力は、テクニックや機材の性能に先立つ、もっと根本的な臨床力なのです。
本教材では、デンタル読影の重要ポイントを、東京歯科大学の山田雅司先生と松永智先生から、数多くのエビデンスと臨床例の両面からわかりやすく学べます。
講師紹介
やまだ まさし
Profile
東京歯科大学卒業後、同大学大学院修了。同大学歯内療法学講座講師を経て、トロント大学歯学部客員教授を務める。現在は、東京歯科大学歯内療法学講座准教授・講座主任代行を務めるとともに、有楽町デンタルオフィスにて臨床にも従事。大学での教育・研究と臨床現場の双方に精通し、エビデンスに基づく歯内療法の臨床普及と後進育成に力を注いでいる。
講師紹介
まつなが さとる
Profile
東京歯科大学卒業後、同大学大学院修了。同大学解剖学講座講師を経て、アルバータ大学客員教授を務める。現在は、東京歯科大学解剖学講座准教授として、歯や顎顔面領域の形態学的研究および学生教育に従事。解剖学の知見に基づき、臨床で直面する多様な根管形態や構造の科学的裏付けを追究。基礎医学の立場から、臨床診断精度の向上に貢献している。

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