大阪歯科大学 名誉教授の有田先生を講師にお迎えし、新しい教材の撮影をしていたときのことです。
「これはね、大学のもっとも秘密の部分なんですけど…」と言いながら有田先生が見せてくれたのは、ひとつのグラフでした。
右肩上がりに伸びたグラフの下には、「小児歯科診療室の年間患者数」と記されています。
実はこれ、有田先生が大阪歯科大学の小児歯科学講座の主任教授に就任した2011年10月から、2020年度末に定年退職される直前までのデータなんです。
その数字をみると、2012年度の年間小児患者数は、約8,500人。それが、一番右の2019年度では、約13,000人まで増えています。
つまり、就任後の8年間で約4,500人、年間平均562人ずつ小児患者を増やし続けてきたと言えます。超少子化と言われる時代に、この数字は驚異的とも言えますが…
収録現場で有田先生の講義を拝聴したからこそ、自信を持ってお伝えできることがありあます。
それは、この数字は有田先生だからだせた結果ではなく、とても再現性の高い方法を用いた結果であると言うこと。
つまり、有田先生の手法を用いれば、誰でも同じように小児患者数を増やせるのです。
また、この方法は、誰でも簡単に実践できます。
なぜなら、①子どもの心を正しく理解し、診療する、②保護者の心を正しく理解し、対応する、③適切なコミュニケーション方法を理解し、実践する、これらを組み合わせるだけだから。
しかし、有田先生に一つひとつのポイントを教わり理解したあと、私たちはあることに気がつきハッとしました。
それは、この3つは、「知っているようで、知らないことがとても多い」ということ。
言い換えるなら、「あいまいな理解のまま、間違ったやり方をしてしまう可能性が高いもの」なのです。
たとえば先生は、「う蝕を完全に除去しない治療」が子どもと保護者にとても喜ばれることをご存じですか?
今まで日本では、う蝕影響歯質を完全に除去することが重要だと考えられてきましたので、まったく逆のアプローチが喜ばれるなんて信じられないかもしれません。
しかし、これは紛れもない事実です。今お話したのは、知っているようで知らないことのほんの一例に過ぎません。
本教材では、小児歯科医療の発展に人生を捧げてきた有田先生の集大成とも言える診療技術と、小児歯科診療に成功する秘訣、行動科学と心理学の手法を用いたコミュニケーションなど、盛りだくさんの内容を4時間超の大ボリュームで学べます。