
From:内田
日付:2026年9月13日19:03
本教材の講師を務める二階堂先生が、タフツ大学に留学していた頃。指導教官のジェームズ・ハンリー先生から、こう問われたそうです。
「アメリカの歯科訴訟で、もっとも多いケースは何だと思う?」。
その答えは意外にも、「定期メインテナンスに通っていたのに、最終的に抜歯になること」でした。
患者さんから見れば、きちんと通院し、言われた通りにメインテナンスを受け、先生を信じて任せていた。それにもかかわらず、「この歯はもう残せません」と告げられる。予防歯科が重視される今、これは日本の医院にとっても決して他人事ではありません。
では、なぜ「メインテナンスに通っているのに、ある日突然抜歯になる」という問題が起こってしまうのでしょうか。
「突然の抜歯」の背景にあるのは、病状の難しさだけではありません。特に見落とされがちなのが、院長先生の頭の中にある診査・再評価・予後判定の基準が、DHと十分に共有されていないことです。
BOPをどう見るか、残存ポケットを非外科で追うのか外科へ進めるのか、X線所見や根分岐部病変から将来をどう読むのか。その基準が揃っていなければ、DHは「測る・記録する」で止まってしまいがちです。
すると、同じ患者さんを診ていても、院長先生とDHで見えている景色は大きく変わってきます。つまり、本当の問題は、歯周病治療の知識があるかないかではありません。
メインテナンスを担当するDHが、院長先生と同じ所見を同じ重みで読み、必要な説明を先回りし、危険な歯を見逃さない体制をつくれるかどうかにあるのです。
歯周病学の世界的権威であるソクランスキー博士は、2008年のインタビューで、こう述べています。
「歯周病患者の9割は、注意深いプラークコントロールとスケーリングで管理できる」と。
これは、歯周病は簡単に治せるという意味ではありません。むしろ逆であり、患者さんの予後は日々の管理の質で大きく変わるという、重い事実を示す言葉です。
そして、その質を左右するのがDHです。だからこそ、歯周病治療は、院長先生おひとりが分かっているだけでは足りません。
DHが院長先生と同じ基準で歯周病悪化のサインを読み、説明し、判断を仰げることで初めて、メインテナンスは「歯を守る管理」になります。
本教材では、院長先生の頭の中にある「臨床の物差し」をDHが理解し、実際の現場で使える形にまで落とし込んでいく方法を、二階堂先生から体系的に学んでいただけます。
講師紹介
にかいどう まさひこ
Profile
東京歯科大学卒業。タフツ大学歯学部歯周病学大学院を修了後、アメリカ歯周病学ボード認定専門医(Diplomate, American Board of Periodontology)を取得。東京歯科大学臨床教授、東京医科歯科大学歯周病学分野非常勤講師、日本臨床歯周病学会理事長を歴任し、現在も歯周治療を中心に診療・教育・研修指導に携わる。

9月16日(水)12:00にお申し込み専用ページをご案内しますので、
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